2008年4月19日土曜日

ファンタジー小説「オリバーの敵討ち」の紹介

友人からすすめられ、この小説を読みました。

感想は、時間が経つのを忘れるくらい夢中になって読んでしまいました。

この先どうなるのだろう?次の展開が気になってしまったからです。

主役の「オリバー」「警部補佐の麻美」を始めとする登場人物の個性が、それぞれはっきりとしていて誰にでもわかりやすく表現していました。

ストーリーは1シーン、1シーン、情景を思い浮かべれるほど、きめ細かく丁寧に表していて、軽快でテンポが良いため、いつの間にかページは進んでいました。

読み終わったあとは爽快な気分になりました。

私はこの小説の本が欲しい!また、実写が見たい!と思いました。

友人を通し著者に聞くと、発行にはかなりの金額がかかるとのことでダウンロード販売という形式にしたそうです。

価格の1,111円の意味を聞くと、主役のオリバーが犬なので「ワンワンワンワン」にしたとのことです。

読者の応援で本の発行、そして実写化(2時間もののドラマ)を願い、紹介しました。

著者、桃華さんの了解を得て、始めから数ページ分を以下に掲載したので、気になった方は「MY BOOKLE(マイ ブックル)」〔http://www.mybookle.com/browse/mainというサイトで販売していますので一読ください。

さらに第2弾、第3弾まであるとお聞きしましたので、楽しみにしています。

オリバーの敵討ち-THE VOICE IN THE HEART- 著者 桃華

※第一章 拾われて※

「こっちだよ、早く」
「分かっているけど、暗くて前が見えないんだよ」
「ちょっと待って、懐中電気をつけるから」
「本当に、犬がいるの?」
「いるさ、今朝、学校に行くとき、ちゃんといたもの」
 ここは、石川県金沢市の南部にある犀川の河川敷である。
 
 犀川には、何本かの橋が架かっていて、その橋の一つに下菊橋がある。
 その橋の下で、ホームレスが段ボール箱を組み合わせて、周りを青いビニールテントで囲い、住居にして住んで居るのが幾つか見られた。
 ただ、ここ一年ほど前から、上菊橋をリニューアルすると言うことで、ホームレスは退去を命じられ、少しずつではあったが、姿は見えなくなっていた。
 この日の夕方、五時を回ろうとした頃、ホームレス達が残していった段ボール箱の中を覗き込む少年達がいた。
 懐中電気で照らして見ようとしている、この少年は、菊川町小学校に通う小学五年生の小倉良二である。
「あっ、いた!」
大声をあげたのは、同級生の真壁昇である。
「良ちゃん、この犬、怪我してる」
「どこを?」
「どこか分からないけど、僕の手に血が付いた」
「どうしたらいい?」
「病院に連れていかないと」
「僕、お金持ってないよ」
「訳を言って後で持っていけばいいさ」
 犀川から南に歩いて十分位行くと、大通りに出る、その道路沿いに岡村動物病院の看板が見えた。
 少年達が、よく自転車で走り抜けている道なので、覚えていた。
「重かったな。何キロ位あるんだろうな?」
 二人は、二十分以上もかかって、やっとのおもいで病院の前まで来ていた。 
 体中が真っ赤な血に染まっていた、犬を抱きかかえて、病院へ入っていった。
「君たちの犬かい?」
「僕の犬です」
 そう言って獣医師の顔を見上げたのは、小倉良二である。
獣医師は、診察室まで抱きかかえて診察台の上に寝かせた。
「先生、大丈夫ですか?」
と、心配そうに覗き込んでいるのは、真壁昇である。
「君たち、この子犬どこも怪我していないみたいだよ」
 診察台に乗せて子犬を仰向けにしたり、毛を逆撫でしたりして診察しているこの獣医師は、岡村動物病院の院長の岡村邦夫である。
「えっ! だって血がこんなに付いてるに?」
 真壁昇が不思議そうに言った。
「ほら見てご覧!子犬はどこも痛そうじゃないだろ、それにこんなに元気だ!」
「じゃあ、どうして血が付いたんだろう?」
 小倉良二が、不思議そうに岡村に聞いた。
「先生にも分からないけど、とにかく綺麗に洗って上げないと可哀想だから、今から洗って上げるね。これからは気を付けて世話してあげるんだよ」
 岡村は、犬を洗うとタオルで拭き始めた。
「この子犬の名前は?」
「昨日、犀川で拾ったばかりだから、名前はまだないんです」
「そうかぁ~、早く考えてあげないと、かわいそうだなっ」
「はい」
 小倉良二は、元気な声で返事をした。
「一応カルテを作っておくから、体重を測っておこうね。それから君の名前と住所と電話番号を教えてくれるかな?」
 小倉良二は、カウンターに置かれた紙に書き込んだ。
「はい、これで綺麗になった。今日はサービスしとくよ。子犬の名前が決まったら、いつでもいいから連絡して下さい」
「先生!この犬何歳位なんですか?」
 真壁昇が聞いた。
「何歳位ってこの犬はまだ、五・六ヶ月と言うところだね」
「だって、こんなに大きいのに」
 良二も昇も、びっくりして診察台の子犬を見た。
「それはこの犬の種類が、セントバーナードの子犬だからだよ!世界で一番と言ってもいいぐらい、大きくなる種類なんだ」
 二人は顔を見合わせ、どのくらい大きくなるんだろうと話していた。
 良二は、診察券を作ってもらい、昇と二人で子犬を抱きかかえて病院を出て行った。
 病院の玄関を出たとき
「さぁ、早く帰ろう」
昇は、外が真っ暗になっていたせいか時間が気になっていた。
「この子犬、どうしょうか?」
 良二は、子犬を抱きかかえたまま不安そうな顔をして言った。
「どうしょうかって、良ちゃんが飼うんだろ?」
「うん、そうなんだけど、もう、犀川には持っていけないだろ」
「そうだけど。家に連れて帰れないの?」
「家の人には内緒なんだ」
 良二は、困った様子で昇に言った。
「お願いしてみればいいじゃないか?僕がいっしょに頼んであげても良いよ」
「でも、僕の家は官舎だからダメなんだ」
 良二の父は、警察官のキャリアということもあって、転勤が多く官舎に住むことが多かった、それ故に良二は小さい時から動物を飼うことを諦めざるおえない環境に育っていた。
「じゃ~、どうする?」
 二人はなんの方法も浮かばないまま、病院の前から動こうともせず座り込んでいた。
「君たち!まだいたのか」
 岡村獣医師が声をかけてきた。
 二人はびっくりして立ち上がった。
「もう、てっきり帰ったとばかり思っていたよ。子犬がお腹空かせているよ。早く帰らないと」
 岡村の言葉に、良二は涙を浮かべた。
 その様子みて岡村は何か訳があることに察しが付いた。
「今晩は先生が預かってあげようか?明日、学校が終わったら来なさい。その時、事情を聞くから、今日はもう遅いから早く帰りなさい」
 岡村は時計を見ながら、八時が過ぎているのを二人に告げると、子犬を抱きかかえ車の助手席に乗せた。
 岡村は開業医とはいえ、結婚をしてから近くのマンションに住まいを構えていた。病院の裏には実家があるが両親と妹が住んでいて、急患があれば連絡を貰えるということになっていた。
 良二と昇は、それぞれが帰宅していた。
 良二の方は、親に言わなくては…と思いながら、ダメだ!と決まった返事が返ってくると分かっていたので、言いそびれていたまま時間だけが過ぎていった。帰りが遅かったことを食事中に叱られたこともあって、早々に子供部屋に入って行き床に付いていた。
 一方、昇といえば犀川に行ったことや、動物病院であったことを、夕食時に家族に話をしていた。
「どんな子犬なの? 色は? 」
 興味津々で聞いてきたのは、昇の四つ年上の城南中学に通う姉の真壁咲子である。
「どんなって病院の先生は、セントバーナードの子犬だって言っていた」
「へぇー。血統書付きなんだろう。すごいじゃないの」
 母の一枝は、一度も見たことないから見てみたいと言った様子で昇に話しかけてきた。
「でも、お母さん良ちゃんの家では、飼えないから困っているんだよ」
「そうね、小倉さんの家は確か警察の官舎だったわよね。それじゃ無理ね」
「どうしたらいいかな?」
 昇は、良二のことが心配だった。
「仕方ないじゃないの、誰も飼うことできないんじゃ。誰か貰い手を探さないと」
 姉の咲子にそう言われて、昇は明日、良二にどう言って言葉を掛ければいいか考えていた。
 次の日の朝、昇の母が朝食を食べながら
「二人で岡村病院の先生に相談してみれば?専門家に相談するのが一番良い方法よ」」
 と母親に言われた言葉を良二に伝えようと、自宅を早めに出て良二の家まで向かえに行った。
「良ちゃん、おはよう。家の人に犬のこと話した」
 昇が聞くと、首を横に振って下を向いたまま返事をした。
「じゃあ…どうするのさ」
「分からないから、困ってるんじゃないか」
 良二は、下を向いたまま答えた。
「良ちゃん、病院の岡村先生に相談してみよう、僕の母さんが先生なら貰い手だって見つけてくれるかも知れないって言ってたよ」
「そうかなぁ…」
 良二は、不安そうにうつむいていた。
「だって飼うことが出来ないなら、誰かに飼って貰うしかないよ」
 昇は良二を説得仕始めた。
「うん…。そうだね」
 良二は、仕方ない事だと自分に言い聞かせようとしていた。
 良二と昇は放課後、岡村病院に一緒に行くことを約束して教室に入って行った。
 放課後、二人は足早に岡村病院に向かって走っていった。
「こんにちは、昨日はありがとうございました。子犬は元気ですか?」
 二人がそう言いながら、診察室の中を覗き込んでいた。
「君たちか、学校は終わったのか?」
 岡村が診察室から出てきた。
 困った顔をして、二人に話をしてきた。
「実はさっき警察から電話があって、子犬を探している人がいるんだって。その子犬がどうもこの子犬らしいんだよ」
 良二と昇は、キョトンとした顔で、岡村の話を聞いていた。
「それでね、警察の人がもう少しすると、ここに来るんだ、君たちに話しを聞きたいらしいんだ」
 二人は不安だったが、飼い主がいるんだったら、自分たちの心配は解決すると思ったら何となくホッとしていた。
「僕たち、警察の人が来るまで待ってみます」
 そう良二が言うと、
「これで良かったんだよ」
と、良二は昇の耳元で囁いていた。
 少し時間がかかるかも知れないと、岡村が言ったので、
「僕たち最後になるかも知れないので、子犬と散歩してきて良いですか?」
 二人はいつも間にか相談していた。
「そうだな!楽しんで来い!」岡村は、かわいそうなことになったが、飼い主が見つかった以上仕方ないことだと思っていた。

※第二章 迷子犬※

「課長、捜索願いって子犬のですか?」
 署内に響くほどの声をあげたのは、松任警察からこの四月から石川県警の中署に配属になったばかりの、渡瀬麻美警部補二十九歳、独身である。
「そうだ、捜索願いは大げさだが何でも大きくなる子犬らしいぞ」
 この中署の捜査一課の課長の間宮俊郎警部五十二歳、出世より家族が大事と言う人物だ。子沢山ということもあって奥さんには頭が上がらないと言う噂があった。しかし、いざと言うときは燃えると言う噂もある。
「何か事件に関係がある犬なんですか?」
「事件になったのは、迷子犬の届け出がされた翌日だ。犀川大橋交番署に届けが出されていた」
 間宮は、一課の刑事達に事件の内容を話して聞かせた。
「今朝、犀川の下流の方の桜橋の手前で発見された男は、胸をナイフような物で刺されま流されていた、その被害者が迷子犬の届け出していた、身元確認は犀川大橋の交番の巡査部長に確認済みだ。名前は松本宗一郎・六十三歳、住所は金沢市高尾台一丁目だ、高尾台中学の裏当たりだ。緊急連絡先は携帯電話の番号しか分かっていない!今の所手掛かりと言えば、被害者の家族と迷子犬だけだ!とにかく犬を見つける事から初めてくれ!それぞれ手分けして、ペットショップ、動物病院、あらゆる動物関係者に電話して、心当たりがないか、聞いてくれ」
 麻美と他の刑事達は、タウンページで探し始めていた。
「課長、有りました。昨日からそれらしい犬を預かっているそうです」
 先輩刑事の前川光男警部補こと、前さん・四十二歳がメモ取り間宮に渡した。
「笠舞の岡村動物病院か、ここなら犀川の上流になるし現場に近いな」
 間宮は、そう言って麻美を呼んだ。
「北島といっしょに犬が保護されている病院に行ってくれ」
「分かりました。北島君、笠舞の岡村動物病院に行くのよ」
 遅刻をしてドアを開けて入ってきた、北島雅也・二十七歳の腕を取り声を掛けた。
 この北島雅也は麻美の高校の後輩で、陸上部に一緒に所属していた頃からの腐れ縁であった。この北島にとっては学生の時から今も麻美は先輩であった。
「先輩、なんか張りきってませんか?」
 北島は、麻美がいつになく行動的な態度に、困惑していた。
「前さんは、被害者松本宗一郎の自宅に行ってくれないか、携帯電話の番号しか分からないので連絡が取れないでいる…頼むよ!他の者は手分けして聞き込みに回ってくれ」
 間宮の言葉で、一斉に刑事達は出かけていった。
「犬に、聞きに行くんですか?」
「ばか、何で、犬がしゃべるのよ」
 麻美は、前川からの聞いた話をした、犬を拾ったのが小学五年生の男の子の二人で、子犬に血が付いていたことなどを話した。
「先輩、ここが岡村動物病院です。僕、駐車場に車を入れてきますのでここで降りて下さい」
 雨が降っていたので、北島は気を利かせ麻美を病院の玄関の前で降ろした。
 麻美は、岡村動物病院の中へ入っていった。
「こんにちは、中署の渡瀬といいますが、岡村先生は、いらっしゃいますか?」
「はい、少々お待ち下さい」
 そう言って、受付にいた看護師の女の人が、奥へ呼びに入って行った。
「私が岡村ですが、お待ちしておりました」
 岡村が、奥の診察室から出てきたと同時に、北島がドアを開けて入ってきた。
「中署の渡瀬です。こちらは同僚の北島です」
 そう言って麻美は、警察手帳を岡村に見せた。
 岡村は、少年二人が昨晩血の付いた子犬を連れてきた事、その子犬がセントバーナードという種類で五、六ヶ月くらいの子犬であること、犬に付いていた血が人間の血液と言うことを調べて置いたことなどを事細かく話していた、そして今子供達と散歩に出てることを事を話した。
「分かりました、それで子犬に付いていた血液は何型何でしょうか」
麻美は、岡村に聞いた。
「O型の人間の血でした。こんな事件になるとは思わなかった物ですから、詳しくは調べませんでしたが、念の為にサンプルを残して置いただけですが、良かったらお持ち下さい」
 岡村は、そう言うとカルテとサンプルを差し出して来た。
「有り難うございます。さっそく署に持ち帰り調べてみます」
 麻美は、カルテとサンプルを北島に渡した。
「子供達は、何処まで出かけたんでしょうね」
 麻美は、少し遅いので岡村に聞いてみた。
「たぶん、犀川まで言ったんではないでしょうか。刑事さんがいらっしゃる事は言ってありますからもうそろそろ帰って来ると思いますけどね」
 岡村はそう言いながら、窓の外を見ていた。
 麻美と北島は、病院の待合室のソファに腰掛けて、二人が戻ってくるのを待った。
「あっ、戻ってきたようですよ」
 岡村は、駐車場に面した窓から、二人の姿を見つけた。
 良二と昇は息を切らせて、病院の中へ入ってきた。
「どうだった?思いっきり走ってきたか」
 岡村が、子犬を撫でながら二人に言うと
「はい、犀川まで行って来ました」
 と、息を切らせながら昇が答えた。
「そうだ、こちらがさっき言っていた、警察の人だよ。この犬の事で二人に聞きたいことがあるみたいなんだ」
 岡村はそう言うと、子犬を抱きかかえてソファに腰掛けた。
「僕たちも座っていいよ」
 麻美が、良二と昇を岡村の横に座らせた。
「まず、犬を見つけた時の事から、聞かせてくれるかな」
 麻美が聞くと、北島は手帳を出し、メモする準備を仕始めた。
「見つけたのは、良ちゃんです」
 昇はそう言うと、良二の方を見た。
「君が、子犬を拾ったんですか?」
 麻美が、良二の前にしゃがみ込み聞いた。
「怖がらなくてもいいんですよ。子犬と出会ったときの事だけ教えてほしいだけだから」
 麻美がそう言うと、良二か話し出した。
「おとついの夕方、犀川の河川敷を自転車で走って行こうと交番署の横から下に降りて走ってきたとき、この犬が飛び出して来て僕にぶつかってきたんだ」
 良二は、犬と出会った時のことを話した。
「それからどうしたの?」
「その時、橋の下に段ボールの家があったからそこへ入れて帰ったんだけど次の朝、心配になってエサをやりに来て昇が見たいと言うから夕方来て子犬に血が付いていたのを見つけたので、この病院に連れてきたんです」
 時々、二人が同時に話そうとするので、麻美は繰り返し聞きながらメモを取った。
「昨日、子犬を見に行ったとき誰か近くにいなかった?」
 二人は、顔を見合わせてから
「誰もいなかったと思います。マラソンをしていた人がいたけどすぐにいなくなったから分かりません」
 昇が麻美にそう言った。 
 麻美は、子供達は犬の事で精一杯でそれどころではなかったと察した。
「分かりました、今日は有り難う。また、聞きたいことが有るかも知れないけど協力してくれるかな?」
「はい、僕のお父さんがいつも言ってますから、市民の強力なくして犯罪の解決なしって」
「僕のお父さんは、何してる人?」
「警察官です」
 麻美は、何となくそんな気がした。
「ちなみに、何処におつとめかな」
「金沢の県警本部です」
 その時、北島が
「県警の小倉って言いました?」
 北島が麻美に聞き直した。
「そうみたいね。どうしたのよ?北島君、知っている人なの」
「先輩は、まだ配属したばかりで、知らないと思いますが、キャリアなのにキャリアらしくないと評判の良い人です」
「そう、今の世の中そう言う人は貴重よね」
「はい、僕も小倉本部長のような人になりたいです」
北島は、思いに吹けていた。
「北島君、貴方の理想はよく解ったから!」
 良二と昇は、麻美と北島の会話がおかしくて笑っていた。
「ところで先生、この子犬がの血が付いていた子犬ですね」
「はい、そうです」
「何か他に気づいたことは、ありませんか?」
「とくにこれと言っては…ありませんね。血の付いていたこと以外は、あっそうだ!昨日私の家で世話をしたんですが、子犬がひどく寝言を言ってましてね、まるで犯人を追いかけているような感じでしたね」
「この犬が、寝言を言っていたんですか」
 麻美は、犬の寝言ってどういうものか検討も付かないと思っていた。
「犬も猫も殆どの動物は、夢を見ると言われています、だからもちろんのこと寝言を言う事もありますよ、人間のようにね」
 岡村がそう言うと、麻美はただ感心するばかりに聞いていた。
「私も一度聞いてみたい物です。それでは最後に子犬の写真を念のために撮りたいので、よろしいでしょうか?」
 麻美が子犬を抱きかかえ北島がシャッターを切ろうとした。
「何…?」
 麻美が急に大声を出した
「クン、クン(かわいく撮ってね)」
「ちょっと、失礼します」
 麻美は子犬を抱いたまま、外へ出た。
「あなた?しゃべれるの?」
「僕が?」
「だって今話してるじゃない」
 麻美は子犬に聞いた。
「僕だって分かんないよ」
「分かんないって…」
 麻美は、何がなんだか頭がおかしくなったのではと思い、頭を降ってみた。
「何で、私!?犬語がわかるのよ…」
 麻美は、独り言を言ったつもりが
「僕もよく分かんないけど、そう言う人間がいるかもな!」
 子犬が、また話かけて来た。
「どうしょう…。とにかく人が変に思うといけないから中に入るわよ」
 麻美は、子犬を抱いて病院の中に入っていって、写真を取り終えた。
「僕はオリバーって言うんだ。君は何て言う名前?」
「私は、渡瀬麻美、二十九歳、よろしく」
 麻美は、犬に自己紹介している自分がおかしかった。
「ねえ、麻美これから僕どうなるの?」
 オリバーが、不安そうに言葉を掛けて来た。
「私も、よくは分からないけど、あの子供達は君を飼うことが出来ないらしいし…。私がここから連れ出してあげようか?」
 麻美は、少し考えを浮かばせていた。
「先輩、何、犬と話してるんですか?」
「えっ?そう見えた?」
「だって、今……」
 麻美は北島に対して、どうごまかせばいいか混乱していた。
「麻美、落ち着けよ」
 オリバーが、耳元で囁いた。 麻美は、この犬を連れて行って、直接聞けば事件解決が早い! 私の初手柄になるかもしれないと思った。

2008年2月17日日曜日

2008年

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